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調査員おすすめの逸品 第157回 鏡作り体験の鋳型
鏡はもともと姿を映すための道具でしたが、古代人たちは、太陽の光を反射する神秘的な力をもつ宝物として、魔除けや「まじない」に使うようになりました。
日本列島に中国大陸で作られた青銅(銅にスズを加えた合金)製の鏡が伝わってきたのは弥生時代前期(約2,200年前)といわれています。さらに、弥生時代後期頃から古墳時代になると、中国製の鏡をお手本にして日本列島でもさかんに作られました。
鏡を鋳込むための鋳型には、砂岩などの柔らかい石を掘って作った石製鋳型と、原型の鏡を砂や粘土に押し付けて型をとった後に焼いて作った土製鋳型がありました。
現在、全国各地の埋蔵文化財センターなどで実施している鏡作り体験で使用されている鋳型は、低い温度で溶ける金属を鋳込むためのものです。石膏板を彫刻刀で掘り込んで手作りするものもありますし、遺跡から出土した鏡をモデルにして作った耐熱シリコン製の市販品もあります。
当協会の鏡作り体験で使用している鋳型は耐熱シリコン製の市販品です(写真1)。東近江市の雪野山古墳から出土した古墳時代前期の内行花文鏡(ないこうかもんきょう)をモデルにしています(写真2)。
この鋳型で鏡を作るには、①溶けた金属が付着するのを防ぐため、鋳型にベビーパウダーをはたく、②鍋で溶かした低融点合金(約130度で溶ける:鉛60%・ビスマス40%の合金)をこの鋳型に流し込み、5分程たった後に鋳型をはずす、③不要部分をペンチで切り落とす、④鏡面をサンドペーパーと研磨剤で20分ほど磨いて仕上げる、という4つの作業を行います。
遺跡から出土した青銅鏡は、長い年月の間に土の中に埋もれていたため、緑青(ろくしょう)という錆(さび)で表面が覆われていることが普通です。でも、作られた当初は、銅の色そのままの光輝く黄金色をしていたようです。今回紹介した鋳型を使って作る鏡も、鏡面を根気よく丁寧に磨くと、顔が映るくらいにピカピカに仕上がります(写真3)。
鏡 作り体験は、今年も当協会の夏の体験学習で体験できます。小学校低学年のお子さんから参加できますので、気軽にご参加ください。
*夏の体験メニューは、今後当協会ホームページ等でご案内する予定です。なお、体験は材料費が有料となっています。
(田中 咲子)