調査員のおすすめの逸品 №283 道具置き場を分離せよーシャッター倉庫

 遺跡の発掘調査を行うにあたって現地で最初に何をするのかといえば、下見などを別とすれば、まず現地での拠点を整えることでしょう。発掘調査場所の近くに、できればその敷地内に現地での居場所である調査事務所を設置し、駐車スペースも確保します。

シャッター倉庫

シャッター倉庫

 調査事務所の内容は、発掘調査の規模や敷地の確保などの条件によって異なります。調査期間も長く、それなりの敷地を用意できるのであれば2階建てのプレハブを建て上げますが、期間が短かったり、プレハブを建て上げに耐えうるような造成ができない場合などにはコンテナハウスを設置したりします。また、それすらかなわないような場合には、テントのみあるいは何も無しということも稀ですがあります。そして忘れてならないのがトイレです。これは必需品です。
 さて、調査事務所の設置ができたら、次に調査に必要な器材類を運び込みます。調査員によって違うでしょうけど、2階建てプレハブでしたら2階部分に図面や写真アルバムなど汚したくないもの、1階部分に出土した遺物を収納するコンテナや土を掘る道具などの多少汚れていてもよいもの、という具合に振り分けます。そしてそれぞれの階に休憩スペースを設けます。これがコンテナハウスの場合、プレハブと違って狭いので、複数棟設置して道具用と休憩スペース用とに分けたりもします。むろんそこまで用意できない場合には、道具と人が狭い一つ屋根の下に共存しなければなりません。ひとくちに発掘道具といってもいろいろなものがあります。土を掘るスコップや記録をとるためのカメラ・測量機材、排水のためのポンプや発電機、その燃料のガソリンなんかもあります。土を掘る道具や記録をとるための道具ならまだしも、ガソリンなどと同居するのもなかなかしんどいものがあります。そこで登場するがシャッター倉庫です。

 わが滋賀県文化財保護協会でシャッター倉庫を初めて導入したのは実は私です。あれは2014年の夏、長浜城遺跡の調査をすることとなりました。場所は旧の市民プール跡地です。JR長浜駅にも近く、調査事務所は湖周道路にも面した駐車場の一画に設置することとなりました。そこで私はプレハブではなくコンテナハウスを調査事務所として選択することとしました。調査に従事する人員数に鑑みてコンテナハウスは3棟、そしてトイレの設置を決めました。しかし、この場所はけっこう目立つことから、防犯上の観点から良い方法をいろいろと検討した結果、シャッター倉庫を導入することとなりました。コンテナハウスに比べて小さいので設置スペースを多少省くこともできますし、中にアングル棚を設置したら垂直方向にも機材を置くこともでき、かなりのものを入れることができます。そしてなによりも人が道具と一つ屋根の下で共存しなくてもよくなるので、快適な発掘ライフをおくれるようになりました。

道具を入れた様子

道具を入れた様子


 
 いまではシャッター倉庫もみんなに広がり、県内各地の発掘現場で導入されています。ある調査現場では調査事務所設置場所がかなり狭かったため、シャッター倉庫とテントというのもあったほどです。現場事務所に必須の逸品です。(内田保之)

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