私がおすすめする逸品は、滋賀県埋蔵文化財センターの入口に並んでいる、4体の顔出し看板です。

入口に並ぶ、顔出し看板
これらの3体は、平成19年3月に開催された、『滋賀県顔出し看板博覧会』(主催:滋賀県「顔出し看板」発掘再生新規開発委員会)に出品され、『滋賀県看板大全カオダス』(サンライズ出版 2007年)にも掲載されているほどの県内では有名な顔出し看板です。
一番左側のものは、平成21年度に、東近江市の相谷熊原遺跡で出土した、縄文時代草創期(約13,000年前)の土偶をモチーフとしたものです。平成22年の夏休み期間中に開催した、『レトロ・レトロの展覧会』の開催中に、日本最古級の土偶の展示を記念して製作しました。この年の展覧会では、「日本最古級の土偶を一目見たい」というお客さまに、県内はもとより、近隣の他府県からもたくさん、ご来場いただきました。

相谷熊原遺跡(東近江市)出土土偶

相谷熊原遺跡出土の土偶から製作した看板
また、土台となる部分は、当協会の調査補助員さんに製作していただきました。裏側の骨組みの部分の材に桐の木を使うなど、毎日朝晩に出し入れする職員のことを考えて、軽量化に工夫していただきました。

顔出し看板で遊ぶ子供たち
(田中 咲子)