(近江八幡市新町界隈)

写真1 旧西川家住宅
この「うだつ」とはいったい何なんでしょうか。漢字では、「梲」とか「卯建」「宇立」などが用いられ、「うだち」とも言うようです。建築用語の一つで、梁の上に立てて棟木を支える短い柱のことや、隣家との境、つまり建物の側面にあたる妻壁を屋根より一段高くして小屋根をかけた部分を指します。用途としては、防火の役割もさることながら、装飾的意味合いの強いものです。装飾というものは、建物にあって必ずしも要る物ではないのです。つまり、江戸時代から明治にかけて造られた商家が、富裕になり余裕がなければこの「卯建」を家に取り付けることができなかったことから「うだつを上げる。うだつがあがらない」と言うようになったのです。

写真2 卯建

洋風(南欧風)の「卯建」

消防署の屋根にも「卯建」
周辺のおすすめ情報
近江八幡旧市街地の池田町には、大正年間にヴォーリズによって設計・建築された洋風住宅が並んでいます。江戸を感じる和の建築と近代の洋風建築がこのように近い場所で同時に見ることができるところはめったにありません。これも近江八幡の魅力の一つです。
アクセス
JR近江八幡駅より 近江鉄道バス 八幡市内循環線「新町」下車
(内田保之)