
県道316号と47号の分岐点
「何で名所に県道やねん!」と言うお叱りの声が聞こえてきそうですが、この県道316号比叡山線、他の県道とイメージがずいぶん違うところがあったり、また見どころも多いので、ご紹介しようと思い立ったわけです。
滋賀県道316号比叡山線は、比叡山を起点として国道161号の大津市下阪本6丁目に至る道です。この県道を国道と交差する下阪本6丁目からたどっていきましょう。国道から分かれて日吉神社や坂本の町の方へしばらく進むと、JR比叡山坂本駅のある大きな交差点に至ります。この先は急に道幅が狭くなり、延暦寺の門前町である坂本の町へと入っていきますが、昔の町の雰囲気を残す家並みの中を道はまっすぐに延びています。一つ目の石鳥居、京阪電車坂本駅前を過ぎると、大きな石鳥居のある交差点に出ます。この石鳥居をくぐると、道が広くなり道の両脇には延暦寺の里坊がならんでいます。それらを横目に見ながら進むと、車道が左に折れるドン突きになり、右側に朱の鳥居、左側に幅の広い石段が見えます。鳥居の左側には日吉神社と書かれた大きな石柱、石段の右側には比叡山延暦寺と書かれた石柱がそれぞれ立っていることから、ここが延暦寺と日吉神社の入口であることがわかります。左へ曲がって南へと続く車道は、地図で見ると違う県道(県道47号伊香立浜大津線)です。では、今までたどってきた県道はここで終わり?比叡山が起点のはずでは?と思って、石段の脇に立つ案内板を見ると、この石段から続く道が延暦寺の表参道(本坂)で、なんとこの本坂が県道316号比叡山線と書いてあるではありませんか。

本坂の入口

この看板に本坂が県道である証拠が・・

文殊楼から見た根本中堂

石仏のある三叉路(左に延びる道が県道316号)
県道と言えば自動車が走れるのが普通なのでしょうが、全国的に見れば国道や県道にも、未舗装路・極端な狭隘路・車両通行不可能な道は多く存在し、その方面のマニアもいらっしゃるようです。県内でも石山から京都の醍醐へ越える県道は、山間で登山道となる道として、一部の方の間では有名らしいです。
さてこの県道比叡山線、昔の人たちの苦労を知ることができると同時に、延暦寺に関するいろいろな見どころが満載の道です。沿線の見どころの紹介はまたの機会に譲って、今回はこのあたりで終わります。皆さんも歩いてみてはいかがです?
(岩橋隆浩)